キツネ女の独りごち

片言のベトナム語を操りだす怪しい外国人枠でベトナムに住んでます

ベトナムバスの独りごち

ベトナム人の足と言えば、もっぱらxe máy、バイクなのだが、片言外国人枠でベトナムに上陸している私は、バイクの所有を許可されていない。(バイクに乗る外国人はだいたいが何かしらのグレーゾーンに所属している)

 

そこでバイクの代わりに私の足となってくれているのが、公共バスだ。乗車1回7000ドン(路線により少し値段が上がる)で、市内の主要なスポットならだいたいどこでも最寄りのバス停がある。ベトナム人に言わせれば、xa và bất tiện lợi, có ai dám đi bằng xe máy ko !? らしいが。

 

このバス、揺れまくり混みまくりスラれまくりの、おまけに乗客が突然の嘔吐をはじめるなど環境が良いとは決して言えない。当然、清潔とは大いにかけ離れている。さらに渋滞によくハマるため、時間が全く読めない。そのため、健康で文化的な生活を送る滞在日本人からはことごとく評判が悪い。

が、日本でギリギリ人間としての生活を送っていたような人種の私からすれば、じっとしているだけで目的地まで運んでくれる夢のような豚小屋である。

 

さてそんな公共バスに、このたびBRTなるシリーズが爆誕した。いわゆるxe buýt nhanhである。鮮やかなグリーンの車体に大きな窓が特徴のバスである。

BRTには専用の駅があり、乗客は駅構内でバスを待つことができる。土砂降りの雨に打たれながら瀕死でバスを待つ地獄のような時間ともサヨナラである。

このバス、なんと電子改札を通ってバスを待つ。代金を支払うと、QRコードの印刷されたレシートを渡される(定期の場合はQRコードのステッカー)そのため、車内にはモギリ役の乗務員がいない。彼らこそがベトナムの公共バスのマスコットキャラ的存在だと勝手に思っていただけに、モギリのいないバスはいささか殺風景にすら感じる。バスが到着すると、都会の地下鉄よろしく、駅側の自動ドアが開き、床からステップがにょきにょき伸び、バス側のドアが開いてめでたく乗車と相成る。なんとも近代的!さらにバス車内は驚きの清潔さ。心揺さぶるものがある。

しかしモギリと運転手の軽妙なトークがなくなってしまったうえに、運転手の裁量でかけられる爆音ミュージックや爆音ラジオはここではめっきり聞かれない。運転手はただひたすら車を走らせるのみとなってしまい、運転手が精神を病むのではないかと内心心配している。

 

とはいえこのバス、渋滞知らずで本当に早い。さすがはnhanhの単語を背負っているだけある。BRTの駅周辺はまだまだ開発途中で、あまり面白いスポットはないのだが、通勤快速だと割り切れば、こんなに便利な乗り物はないと思っている。

 

最初の日記がこんなに冗長で、いかにも張り切った感じがして恥ずかしいが、これからもちょくちょくベトナムでの発見を書き残していこうと思う。